ジクレーについて
当画廊は私が店を張っているのではなく “街に展開する絵里子画廊” をコンセプトとして営業しています。どういうこと?というのは事業内容のページを開いてご一読いただければと思います。
展開方法は主に4つ。
①実作品を販売
②ジクレーを販売
③ジクレーをレンタル
④ジクレーをレンタル後、実作品を販売
【ジクレーとは何か?】
皆さん子供の頃、木版画を作りましたよね。他にも版画にはリトグラフ、シルクスクリーン、エッチングなど、古くから伝わる手仕事の技法があり、あまたの芸術作品が生み出されてきました。
一方ジクレーは、デジタルで制作した版を版画専用紙に印刷したものです。…と言うとプリンターから出てくるコピーを連想するかもしれませんが、それとは全く異質なもの。スイッチひとつで簡単にできあがるのではなく、従来の版画の摺り師の役割であるオペレーターが、画家の指示に従って可能な限り表現を追求します。色の保存性にも優れ、アートの分野では必要不可欠な技術となってきています。現代における広義の版画と言えるでしょう。
以上、株式会社アムゼHPより抜粋し、簡略化してご説明しました。
詳細はこちらで ↓
https://amuze.co.jp/index.html/
株式会社アムゼは「ハーネミューレ社の推奨する世界のファインアート専門のジクレーデジタルスタジオ」国内第一号店舗として認証されています。制作環境、規模、制作スキルにおいて世界的に高い評価を得ているGoldランクのスタジオです。
アムゼの副社長 大川真喜子さん(pic.2,3)は、高校時代、空手部で共に励んだ私の友人。彼女はジクレーのカラーオペレーターとして20年以上のキャリアを持つベテランです。当画廊のジクレーを安心してお任せできます。
【なぜジクレーを用いるのか?】
●原画を手放したくない作家のなかには(絵本作家さんに多いです)ジクレーなら販売を了承していただける方もいる。※逆にジクレーを作らない主義の作家もいます。
●量産できるので(とはいえ価値ある限定品です)実物にかなり近い作品をお求めやすい価格で販売できる。
●実作品ではなくても、レンタルとしてお楽しみいただくには十分なクオリティがある。
●作品を購入するのは荷が重いと感じるお客様でも、レンタル(サブスク)でいろいろな作品を展示替えしながらお楽しみいただける。
●作品を購入する前にお試しでジクレーを飾ってみることができる。結果、欲しくなったら納得して実作品をご購入いただける。
●作品の大きさを変えられる。極端な例で言うと、100号の作品を6号のジクレーにすることができます。実作品は大作であることを知ったうえで小品として楽しむことができるということもまたジクレーの面白さです。
●作家の手元にない売れてしまった作品、他のギャラリーに展示されている作品、受賞作品など、所有者の許可を得られればジクレーにして多くのお客様に観ていただくことができる。作家の代表作や魅力的な作品を、実物ではないとしても飾りたいお客様は他にもいると思うのです(よく美術館のミュージアムショップで巨匠の名画が額付きで売られていますよね。あれがジクレーです)。もちろんジクレーであることは明記し、原則としてレンタルとして扱います。作家や所有者の許可なくジクレーを販売することはいたしません。
●ジクレーを用いる一番の理由。それは、実作品を貸し出す場合、保険をかけなくてはならないからです。しかし、作品1点1点の価値を査定して保険をかけることは極めて困難な作業であり、時間もコストもかかります。ジクレーであれば傷付いても当画廊が負担すれば済みます。実作品を安全に守るにはこれが一番です。
以上がおおまかな理由です。
ジクレーは悪く言えばイミテーションですが、上記のような柔軟性のある賢い用途を見出せます。本物の価値を最大限に活かしているジクレーの技術を、模造品という目で見てしまってはつまらないと思うのです。もちろんジクレーのレンタルより実作品のご購入の方が本物を手にする喜びがあると思いますし、作家にとっても嬉しいことなのでご検討いただけると有り難いですが🙇🏻♀️
【誤解しないでいただきたいこと】
最後に、当画廊はレンタル屋さんではありません。レンタルという言葉のニュアンスが気にかかり、他の表現を探したのですが、やはりレンタル(サブスク)が世に浸透していてわかりやすいので仕方なく使っています。
当画廊の目的は、作家にとって嬉しい、誇らしいと思えるスペースに作品を長期間展示すること、その際にはキャプションを添え、その作家と当画廊の事業の取り組みを多くの方に認知していただくことです。
💁🏻♀「心に響く作品を社会に活かす」「作家が活躍の場を広げ豊かになる」「絵里子画廊が成長し、いずれ共有の場となる」という循環を、芸術の力で実現・継続させていくことを目指しています。
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