城下煎餅屋 Ⅰ(F100号)

2010年 第95回記念二科展 特選 


私は、今は無き三浦煎餅店の素朴な佇まいを通して“私のなかの弘前”を描きたかったのだと思います。絵のなかの雪が私の心にも舞い降り踊っていました。


以下、美術評論家・高山淳氏が、雑誌『美術の窓』で執筆された寸評です。

「丸い煎餅、小判形のもの、楕円状のもの。それぞれのボックスにそれぞれの煎餅が入れられて、全体で静かなハーモニーをつくる。そして、その前に雪を降らしている。しんしんとした夜の気配のなかに、人間が手作りでつくった煎餅が存在感を発揮する。詩情ある光景である。」