鳥(F0号)

少年ののりすてたボートには、白い花びらがちっていました。

あたしは、思わず、それを手にとりました。

すると、花びらは、羽にかわっていました。

鳥の羽でした。

あたしは、ふしぎな、夏の夢をみたような気がしました。

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童話作家 安房直子さんの短編『鳥』の不思議な夏の夢のようなシーン。

海女(魔女)が与えた赤い海草の実によって、人間の姿に変えられた二人を本来のかもめの姿で描きました。運命の赤い実で結ばれている二羽のかもめです。

夜の海の光景が暗くなりすぎないように少しだけ金をのせたので、光が当たると角度によって水面がキラキラと輝きます。