トートバッグ
先週の金曜日は若い学生さんにお越しいただきました。静玖:しずくちゃん(中央)と観音:かのんちゃん(右)。
遡ること4月17日、私の作品も展示させていただいているplanethandさんで催された「秋元紀子朗読ひとり語り」が出会いの場でした。(秋元紀子 さんについては後日お話する機会がありますので今回は割愛いたします。)
朗読会の休憩時間に、たまたま近くに座っていた学生さんたちとおしゃべりしていたのですが、インスタの見せ合いっこという流れで、自分の絵をざーっとスクロールしてお見せしたのです。「風の蔵っていうギリシャ料理屋さんで絵里子画廊をやってるからいつか遊びに来てね♪」なんてお話して。
そのとき、しずくちゃんという子が「羊雲」という作品に見入り、すごく気に入ったらしくたくさん褒めてくださったので、私は嬉しくなり、「トートバッグにプリントできるよ」と、つい言ってしまったのです。
実は去年、インスタで知り合ったフォロワーのfyij34さんに「どくだみ」という作品のトートバッグが欲しいと言われたので作って差し上げたのですが(最後の写真)、私の絵をグッズとして欲しいと思ってくださる方もいるんだなぁと思うととても嬉しかったし、こんなのネット上で画像をはめ込んで注文するだけなので簡単です。これで商売をするつもりはありませんが、Tシャツとかスマホケースとかいろいろできます。
というわけで、トートバッグの受け渡しのため、しずくちゃんに風の蔵にお越しいただきました。学生さんだし実費以下でいいや、お茶ご馳走しちゃおう、と思っておりました。
お友達の かのんちゃんを連れて笑顔で再会し、ちょうどいま展示してある「羊雲」をご覧いただきました。すごく細かいところまで見てくれて素直なご感想をいただき、トートバッグも大興奮で喜んでもらえたので作って良かったです♪しかも、しずくちゃんはスマホの待ち受け画面もあれから「羊雲」にしていたそうで、そこまで好きなの?! と、ちょっとびっくりしました。
お二人は大学生ではなく、夢に直結する勉強をしている学生さんなので、その特殊な学校生活のお話が新鮮で、興味深く聞き入りました。考えてみたら私の子供でもまったくおかしくない年齢の子と違和感なくおしゃべりしている自分(私は子供ができなかったのです)。実年齢を明かしたら案の定引かれました。たぶん私は大人の雰囲気がない。恥ずかしいとは思いながらも、昔から若く見られ続けてきたので、もうこうなったら妖怪並みに年取らないようにしようと思い、最近は女磨きに必死です(笑)。
話がそれましたが、一番話したいことはここからなんです(ナゲーヨ)。
細かい話のやりとりは置いといて、なんと!しずくちゃん、絵を買うことになったのです。
私は絵を売っていますが、売ろうとはしていません。買って欲しいオーラは出ていないはず。そう思ってないから。そう思ってなくても、これまでたくさんの人の手に作品が渡りました。たくさんというのは自分基準なのでたいしたことないかもしれませんが、自分としては十分です。これだけの人が求めてくださったこと自体が不思議です。
私は、絵は収入のうちに入らないので会社勤めやアルバイトもしてきたし、むしろ外の仕事の方が人との関わりが楽しく、人脈が広がり、働いた分のお金がきっちりいただけるのでスッキリするんです。
たまに「好きなことが仕事にできていいねぇ」なんて言われますが、違いますから。一言で言うなら“大変”です。それでもやめないできたのは、「描くことが好きだから」なのではなく、買ってくださった方に「いつまでも喜んでもらいたいから」なのです。たぶん私は芸術家ではありません。いつか「描くことが好きだから」と言えるようになりたいです。
長野から東京に出てきて、夢の実現に向けて勉強しているしずくちゃん。私のこれまでのお客様に20代の方はいません。この若さで絵を買うなんて珍しいと思います。決して安くはない絵の代金を、お好み焼き屋さんのアルバイト代を貯めて購入するそうです。本当に欲しい!と、目をキラキラさせて言ってくださるので、当然待ちますよ。近々お店から持ち帰って家で保管します。受け渡しのときがきたら、今度は風の蔵でお食事しましょう。
私は普段、誰がどの絵を買ったなどと公言することはありませんが、今回は特別。「絵里子画廊 in KAZENOKURA」の第1号御売約のお客様は二十歳のしずくちゃんでした。こうして求めてくださる方がいるから私はやめないのです。しずくちゃんの人生の片隅に生きられるよう、これからも頑張ります。本当にありがとうございました!
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